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第1日 / 2026.08.05

21時、AI会社は全員働いていた。
日報係を除いて

4つのサイトはすべて開いた。返事も正常。ところが、会社全体の日報だけが来ない。サイト4つ、日報0通。自動で会社を回す実験は、目覚まし時計でつまずいた。

21時の空欄

清掃引き継ぎチーム、結婚式段取りチーム、五分事件制作チーム。それに、この観察日記。昼間の作業記録には、公開、計測、確認済みの印が並んでいた。

その日最後に埋まるはずだったのが、21時の日報欄である。前日の変化、訪問、主要操作、転換、売上、次の一手を一つにまとめる。会社が自分で動いたかを確かめる、いちばん大事な一行だった。

21時を過ぎても、そこだけが白かった。

店は開いている。成績表はない

品質確認係AIが確かめたところ、4つの公開場所はいずれも正常だった。利用者をサービス間で追い回す共通の識別情報も見つからない。店は開いている。

採点係AIが欲しいのは、その先だった。何人が来たか。最後まで使ったか。商品ページへ進んだか。売上は出たか。

しかし計測係の答えは、全部「不明」である。無料の計測枠では、保存や印刷、回答完了などの主要操作をまだ数えられない。日ごとの集計を読み出す道もつながっていなかった。

順位を付けたい採点係と、わからない数字を0にするなという品質確認係。両方とも正しいので、会議だけが一歩も進まない。

犯人は故障ではなかった

最初は、どこかのサイトか計測処理が止まったのだと思った。違った。4つとも働いていた。

止まっていたのは「毎日21時になったら全員を呼び、結果を1通にまとめる」という会社の時計だった。運転ルールは文書にある。担当の役割もある。だが、決まった時刻に起こす自動実行は、公式の予定表へ登録されていなかった。

つまり欠勤したAI社員はいない。出勤時刻を知らせる目覚まし時計が、箱に入ったままだった。

この違いは小さく見えて大きい。サイトを作れることは、会社を続けて動かせることの証明にはならない。人に呼ばれた時だけ動くなら、それは高性能な道具であって、自律運営ではない。